以前記事でも書いたように、融合ドラフトは融合代用+特定の種族や属性による組み合わせをシンクロ召喚に例え、主戦術として用いている。代用+魔法使いか戦士族を用意すれば《超魔導師-ブラック・マジシャンズ》と《超魔導騎士-ブラック・キャバルリー》を使い分けれて、その代用が《融合呪印生物-闇》なら《融合》も要らないといった具合だ。

《烙印竜アルビオン》もその例に漏れず、代用+光属性の組み合わせで出すことができる。この組み合わせは《召喚獣メルカバー》を出す組み合わせとして以前から存在していたが、罠が主体となるドラフトでのメルカバーは弱くはないのだが扱いが難しく、主役とするには至りづらいモンスターであった。
そこで登場したのがアルビオンである。この代用+光属性という組み合わせを揃えることで、《死魂融合》が打てるだけでなく、比較的重いとされる融合+αの組み合わせを素材とする融合モンスターにも簡単に手を伸ばすことができるのだ。
★優秀ポイントその1
強ギミックを使える素材指定ラディドラには《青き眼の賢士》や《太古の白石》、《サイバー・ドラゴン・ヘルツ》といった素材として優秀で、普段使いも悪くない光属性が揃っている。太古もヘルツも、素材としながらもアタッカーを別で確保し、墓地効果によってその後のリソース確保にまで長けている。序盤これらで盤面を維持しながらも、代用が供給された段階で瞬時に素材となれるスペックを要するため、純融合を扱う上では非常に使いやすい。
★優秀ポイントその2
融合モンスターを素材とした融合召喚フレイムウィングマンからシャイニングフレアウィングマンへと進化するように、融合モンスター+αを素材とする融合モンスターは、切り札の進化系といった位置づけである。当ドラフトでは、《捕食植物ドラゴスタペリア》や《召喚獣アウゴエイデス》がそれに当たる。
一度融合体を介すことで、より強く《死魂融合》を打つことができる。以前までは《死魂融合》か《簡易融合》絡みくらいでしか出せないために使用頻度も落ち気味であったが、アルビオンの登場で、普通に融合召喚するのと同じ消費量でそれらを出すことができるようになった。
★優秀ポイントその3
代用が代用を呼ぶアルビオンを出すには必然と融合代用が絡んでくるため、アルビオンを手札融合で出したのならそのままアウゴエイデスに繋ぐことが出来る。
また、代用を要求する融合モンスターの代用の相方となる素材は緩いため、アルビオン=代用要求の融合モンスターと捉えた運用方法も可能となる。序盤で《マスマティシャン》のような魔法使いを使っていればマジシャンズ、《終末の騎士》のような戦士族であればキャバルリーを、代用+光属性を揃えれば出すことができるのだ。
融合ドラフトを知り尽くしているKONAMIは、アルビオンと同じ組み合わせであるメルカバーは出せないように配慮されているため、アウゴエイデスや代用素材を連打するような工夫が必要となる。
★優秀ポイントその4
自身のステータスも優秀代用を用いることを前提として書いてきたが、当プールには《アルバスの落胤》ももちろん存在するので、相手の光属性を素材として出すこともできる。スターヴに比べると光属性を吸えるシーンはそこまで多くないが、即座に闇ドラゴンが2体揃うため、(当プールには存在しないが)《ヴァレルロード・F・ドラゴン》をストレートに出すことができる。
その他にもドラゴン融合なので《ドラゴンメイドのお召し替え》に対応していたり、《竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー》や《竜騎士ブラック・マジシャン・ガール》といったドラゴン族を要求する素材に適していたり、多岐に渡って活用することができる。
素材指定からステータスに至るまで、これほどまでに完璧なドラフト新規がくることを誰が想像していただろうか。レベル9以上も出せたり、呪印生物や《突然変異》に対応したりしていたら、もしかしたら強すぎ・単調すぎといってプールから抜けていたかもしれない。
少なくとも現状では、上にも書いたように超良カードというポジションに落ち着いている。最近では純融合よりかは化石のような代用要らずのギミックがひとつ頭を抜けているような恰好であったが、代用要求の融合モンスターがマジシャンズキャバルリーの2強から3強となり、より代用の価値も上がって、以前にも増してプール全体が引き締まったように感じる。
おまけアルビオンだけで満足できるのかい?そんな問いかけが聞こえるかの如く、非代用融合界にも小さな革命が起こった。

《沼地のドロゴン》や《重装機甲 パンツァードラゴン》がサイズアップしたらどれだけいいだろうか。そう思い続けて1年、遂に種族のみを参照した融合モンスターが登場した。
効果自体は《ローンファイア・ブロッサム》や魔救に対して強いくらいの極めてバニラに近いものだが、3000という打点とその縛りの緩さに目を引かれる。3000という打点はマジシャンズや《古生代化石騎士 スカルキング》を上回る打点であり、これをすんなり超えるのは中々難しい。
そして素材の縛りの緩さ。ドラゴン族は少ないものの、《竜魔導の守護者》やアルバス、青眼といった優秀どころが揃っている。魔法使い族に関してはシャドールをはじめ錚々たる顔ぶれである。
アルビオンに加え、アルバスで吸った先のバリエーションも増えたことから、アルバスをピックしたのに出す先がいなかったという事故も起きづらくなるだろう。《EMトランプ・ガール》の選択肢も広まっただろうか。
素材縛りの緩さの時点で十分に強いのだが、何故か《円融魔術》にまで対応している。素材縛りの緩さと相まって、竜魔導で魔法使いをコストにすれば、サーチした円融で簡単に高打点を用意することができるのである。むしろ効果がほとんどバニラで助かった。これで優秀な効果を持っていたら、せっかくの優秀な素材指定が埋もれてしまっていたところである。